甘くて可愛い彼のヤキモチ 【短編.完】

相馬くんは自分の状況をちゃんと理解していた。

自分が女子から好かれている事を。

そのせいで女子同士争っている事も。

全部全部解っていた。


相馬くんに好きだと告げられた時、『香坂の事護るから』って言われたけど、私は相馬くんに『皆には内緒にしよう』って言った。

女子に苛められるのが怖いからだと、相馬くんはきっとそう思っているだろう。


でも、そうじゃない。


私に“自信”がないから。

相馬くんの隣で彼女として笑う“自信”がないから。

だから内緒にしようって言ったんだ。


「もも、部活のクリスマスパーティー断らなくていいから」

「……え?」

「当日、俺がももを攫っていく」

「……っ」

「だから、二人でクリスマスしよう?」


ちゅっとこめかみにキスを落とした相馬くんは何処か愉しげで。


「うん。相馬くんに攫われる。二人でクリスマスする」


真っ赤になった頬を両手で隠しながら私はそう相馬くんの耳元で囁いた。