天野の目線が、

オレより高いことを知った。





【桃side】

今日は期末テスト最終日。

「はい、そこまで。後ろの人は集めてきて」


先生の掛け声で、みんなが一斉にペンを置く。

あたしは自分の解答用紙が回収されるのを静かに待った。


……うん、大丈夫。
ちゃんと解けていると思う。
自信あり。

ニィッと口元が上がるのが分かる。

あたしはそれを手で隠した。


「ふーっ、やっと終わった……」

あたしの横で誰かが呟く。

誰かはもちろん、

神宮だった。