あ、当たってる…………

このことをもし知ってるとしたら、あっくん本人しかいない。

じゃあ本当に……五十嵐はあっくん?

「あっくん……なの?」

「そうだよ」

「本当に?嘘ついてない?」

「うん。本当だよ」

五十嵐くんが、今日初めて笑った。

その笑顔は昔のあっくんと全然変わっていなくて。

「あっくん!……会いたかった!」

あたしは五十嵐……ううん、あっくんに抱きついた。

「僕もだよ、桃。……突然引っ越しちゃってゴメンね。桃と離れるって知った時、寂しくて、何も言えなかったんだ」

「もう、あっくんはどこにも行かないの?」

「行かないよ。また、一緒にいられる」

「そっか……これからまたよろしくね!あっくん!」