「ねぇ、柴崎くん。」
「んー?」
柴崎くんがかちゃかちゃと冷却剤を探してる間に、私は気になっていた事を聞いた。
「何で試合を途中で辞めてまで私を保健室に連れていってくれたの?」
「この前に保健室へ運んでくれた礼かな。」
「お礼なんて、いつでも出来るじゃん。私は、私のせいで柴崎くんが好きなバスケを投げ出した事が嫌なの。迷惑かけたことが嫌なの。」
「嫌な思いをさせたのはごめん。でもどうせ授業だから試合しなくても。」
「でもでも、、」
冷却剤を見つけた柴崎くんは、それを持って私の前に来た。
「有村は気付かないの?」


