「私はただ保健室に連れていっただけだから。」

「それだけでもアウトなの。茉利子の邪魔をしたことになるの。だからね、茉利子ね、イライラしたからとっても力を込めて投げたの。あんたの頭にめがけてね。」


木下さんはそう言って、試合へ戻っていった。

頭が痛くて試合が出来ない私は壁際に座った。


頭がキリキリ痛む。

まさか木下さんがこんな酷い事をするとは思わなかった。

私は怖くなった。

柴崎くんを好きになったからなの?

私が悪いの?


「有村。」


失意の中、少し聞き馴れない低い声が私の名を呼んだ。