一瞬の出来事過ぎてあまり状況が整理出来ない。

それは頭がクラクラしているせいかもしれない。

立てなくなりなり座り込んだ私の元に涙目の木下さんが「ごめんなさい」と言いながら来た。


「有村さん大丈夫?茉利子のボールが頭に当たっちゃったの。」

「うん!ちょっと休めばすぐ治るから!」


私は笑顔で応えた。

木下さんはホッとため息を吐き、安心そうな顔で私に抱きついた。


「ほんとにごめんね。」



まわりから見れば、女子同士の美しい友情かもしれない。

でもそれは違った。


「昨日柴崎くんといちゃついてたでしょ。だからイライラしちゃったの」


木下さんの耳打ちはとても恐かった。