特に行き先もなく、ただボーっとしながら歩いていると… ドンッと勢いよく誰かと、ぶつかった。 顔を上げるとサラリーマン風の人が、俺を睨み付けるように立っていた。 「…すいません」 別に張り合う気もない俺は、イヤホンを付けたまま軽く謝ると再び歩き始めた。 酷く嫌な気分になり、フードを深く被り直す。 地面を見つめながら歩く。 …このまま、この騒がしい街に溶け込めてしまうのならばそれで良いかもしれない。