「…颯!」 振り返ると椅子を持った梨奈が手招きしていた。 「メンバーで集まっておこうよ」 梨奈が俺の耳元で小さく囁いた。 俺はそれに頷くと、梨奈と梨真の間に椅子を割り込ませた。 …俺にとって三回目の討論会が始まろうとしている。 先週の市民会議では梨真と梨奈のせいで全く話が進まなかったため、今日は大人しく討論会に参加する事にした。