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「…俺はこんなに梨真を想ってたのに…何で梨真の異変に気付けなかったのかなぁ…」

これまでどんな言葉もボヤボヤとして聞こえなかったが、何故かこの言葉だけは頭に入ってきた。

途端にハッと我に返って、目の前で泣いている颯が目に入った。

颯がどうしてここにいるのかも、よく分からない。

でも…
とにかく嬉しかった。

「…颯…」

『会いたかった』とか『ごめんね』とか『ありがとう』とか…
言いたい事はたくさんあるのに、口からはそれしか出なかった。