ドアに手をかけている梨奈の視線が冷たい。 全身を寒気が駆け巡った。 「私…言ったじゃない…。颯は…私が…私が…っ」 「…梨奈…っ」 私は慌てて駆け寄ったが、梨奈に突き飛ばされた。 「…ふざけるな…。馬鹿にしないでよッ!!」 怒鳴る梨奈を、私はただ呆然と見上げていた。 「…ホントは…私の事、嘲笑ってるんでしょ!?こんなヤツが颯に似合うわけがないって思ってるんでしょ!!」