「雨…」

俺は下足室から空を眺めながら呟いた。

朝は晴れていたので、傘は持ってきていない。

…転校早々で雨とかついてねぇなぁ。

「…なあ…」

後ろから声をかけられて振り返ると、一人の男子が立っていた。

「…はい?」

「か、傘…っ」

「…傘?」

「傘…二つ…っ」

「…ん?」

「傘…二つ持ってるから…一つ…使う…?」