「…今日の討論会は私の私事により、中止にします」 討論会の準備を始めだしていた皆に、委員長は告げた。 人狼ゲームにより、ほとんど空になった教室。 消されずに残された俺達は互いに仲良くなる事もなく、毎日を過ごしていた。 「颯…」 帰る準備をしていた俺に、隣の席の梨奈が恐る恐る声をかけてきた。 「…ん?」 先週の市民会議以来、俺達は数える程しか喋っていなかった。 「…話が…あるの…」