「り、ま…ッ」

「…嫌?」

「…え…」

「…また泣いてる…」

言われるまで、自分が再び泣いていたなんて思わなかった。

「…やっぱ、私じゃダメだよね」

「…ん…」

「…止めよ。ごめんね」

「…俺こそ…ごめん」

俺が梨奈から少し離れると、梨奈はベッドにあった毛布を羽織って部屋から出ていった。

「…何やってんだろ…」

頭を雑に掻く。

早くなった鼓動が誰かに聞こえないか怖くて、俺は逃げるようにして梨奈の家を出た。