「…やて…はやて…颯!」

我に返った俺は、慌てて顔を上げた。

「…大丈夫?」

梨真が心配そうに俺を見ている。

「…今から討論会だけど…しんどいなら帰って休んだ方が…」

「大丈夫」

俺は梨真を安心させる為に、笑顔で答えた。

…そうだ。

今から討論会なのか…。

俺はパッと立ち上がると、教室の真ん中に出来た小さな輪に自分の椅子を割り込ませた。