「…ありがと。…でも、ホントに大丈夫」

梨奈はニコッと笑ってから、梨真のいる部屋へ案内してくれた。

「…まあ颯なら大丈夫だと思うけど…」

梨奈は一呼吸を置いてから、再び口を開いた。

「梨真、ちょっと大変だから…その…」

まあ、梨真はただの風邪ではないとは思ってたけど…
この梨奈のやつれようなどからして、梨真は俺の想像よりも酷い状態なのかもしれない。

「…大丈夫」

俺が頷いて見せると、梨奈がドアを開けてくれた。