「…今日、梨奈ん家行くな」 「ええっ!?どうして!?」 恐る恐る言った俺の言葉に、梨奈はズサッと身を引いた。 「…そんなに驚かなくても…」 「ごめんごめん」 「梨真の…お見舞いに行きたくて。風邪、長引いてるみたいだし」 俺が[風邪]を強調すると、梨奈がハッと息をのんだ。 梨奈が迷うように視線を泳がす。 「……分かった」 梨奈が小さく開けた口から、微かな声が漏れた。 その言葉に俺は微笑むと、一旦梨奈と別れた。