…そして、多数決が始まった。

討論会中からは比べ物にならないほど、すぐに一人の女子が立ち上がった。

「長島陸斗さんに一票」

「俺も」

「同じく私もー」

最初の一人に続くように、二人が陸斗に票を入れた。

まるで元から、陸斗に票を入れるのが決まっていたみたいだった。

陸斗は戸惑いが隠せないようで、キョロキョロしている。

「はい!俺は山口に一票!」

俺は咄嗟に目に入った山口の名前を口にしていた。

山口には申し訳ないが、俺はこの流れを止めるために声を張り上げた。