「…はぁ」 俺は溜め息をつきながら、空の梨真の席を見つめた。 「…どうしたの?」 陸斗が尋ねてくる。 「…梨真、なかなか来ないなって思って」 「…ああ…」 陸斗も小さく頷くと、梨真の席を見た。 「…はい。準備は良いですか?」 委員長が教卓の前に立って言った。 この問いかけに答える人がいないのは、いつもの事だ。 なので委員長も別に気にしない様子で、教室を見渡した。