「またね」 「ばいばーい」 周りのざわめきで、俺は我に返った。 …もう放課後か…。 今日一日、梨奈はいつものように笑顔を絶やさなかった。 …俺が、ただ心配しすぎなだけなのかもしれない。 「今日の市民会議はどうするのー?」 帰る準備をしていた俺と梨奈の間に割り込むようにして隆也がやってきた。 「…出来るだけ、私…早く帰りたいんだけど…」 梨奈が鞄を肩に掛けながら言った。