さっきの雰囲気とは裏腹に、梨奈が笑っている。 「お前…」 「颯、どうしたの?心配そうな顔しちゃって。…梨真も、ただの風邪だから直ぐに治るだろうし大丈夫だよ」 「でも…、」 「……あーっ!一時間目、移動教室じゃん!ねえ、行こうよっ」 梨奈はいつも一緒にいるグループの方へ駆けていくと、教室を出ていった。 「…梨奈…どうしたんだろ…」 俺がポツッと呟くと、後ろから隆也に肩を叩かれた。