俺の隣の梨奈の席に座った隆也は、小さく溜め息をついた。

「昨日は結局、討論会は中止になったんだよねー。クラスメートも全然揃ってなかったし」

「…そうなんだ」

「だから人狼による捕食も今回は中止だって」

「…ふぅん。まあ、良かったじゃん。…期間が延びたって事で」

「…だな」

「…あ、もう少しでチャイム鳴る」

俺がそう言った、朝礼が始まるチャイムがなる寸前。

「ぉはよ…っ」

梨奈が教室に駆け込んできた。

ダッシュで来たのか、かなり呼吸が荒そうだ。