俺は、ただ動くままに梨真を抱きしめた。

「……無事で良かった」

「…颯…」

俺がゆっくりと顔を近づけていくと、梨真がハッとしたように口を押さえた。

「…梨真…?」

「…ごめんなさい…。…私…その…っ」

「…いいよ。ごめんな、急に…」

俺が梨真から顔を離すと、梨真は寂しそうに俯いた。