「…梨真のせいじゃないから」

「だって…私が美希ちゃん達に捕まらなかったら…!」

「…俺、痛くねぇし…大丈夫だから。…慣れてるしさ」

「…捕まらなかったら…颯はこんな怪我をしなくて済んだのに…」

「…大丈夫だって。…梨真こそ…大丈夫?」

「私は…ただ眠らされてただけだから…」

…と言う梨真の手足にいくつものアザが出来ているのは、俺だって気付いていた。

「…じゃ、これは?」

俺が梨真の腕を掴んで目の前に晒すと、梨真は不安そうに瞳を揺らした。