「…ぅわ。真っ暗…!」 梨奈の横をすり抜けて外に出た隆也が、空を見上げた。 「早く帰ろうぜー」 隆也が靴を履こうとしている俺を急かすようにして言った。 「…待て待て」 俺は小さく言うと、靴を履くためにしゃがんだ。 「…ごめんな」 「…え?」 突然そう呟いた俺に、梨真が驚いたような声を上げた。 「…我が儘みたいなの言っちゃってさ。…梨真、納得してないでしょ?」