…いや。

…正確には、俺の背後を指差したのだが。

「…さっきまで一緒にいて…颯が勝手に走りだすから…つい着いてきちゃった」

俺の後ろで隆也がテヘッと舌を出した。

「てて、テヘッ…じゃねえよ!颯も何で連れてきちゃうのかなぁっ!?」

「…すいませーん」

超怖い梨奈に、俺は素直に謝っておいた。

「…まあ良いじゃん。せっかく来たんだし、隆也君も入りなよ」

「り、梨真…っ!?」

「…家の前まで来た隆也君を仲間外れにするのは可哀想だもん…」