「…よぉし…教室まで競争だぁ!」

梨奈が駆けだす。

「…ちょっ、待てよ…!」

俺も慌てて走りだした。

梨奈なりに俺に気を使って、元気付けてくれているのが分かった。

「ありがとな」

俺が梨奈まで追い付いて肩をポンッと叩くと、梨奈は顔を赤くしながら嬉しそうに頷いた。