「んーと、もうちょい切ってください」




「せっかく伸ばしたキレイな髪なのに、もったいないわねぇ~」






今日は休日。

氷那朶と買いものに来ている。



いつも行く美容院では、おネエのヤスさんに切ってもらっていた。



ヤスさんはおネエだけど、腕は確かな人。






「あぁー!やっぱもったいないわよー!」





わたしの髪の毛にハサミを入れていくごとに嘆くヤスさん。






「ヤスさん、そんな事言わないで早く切ってー。氷那朶が待ってるんだから」





「はいはい。愛しの氷那朶くんでしょー!あたしにリア充を見せつけるなっつーの!」





……見せつけてないし。