“日向のような存在”の名前は氷那朶(ひなた)でわたしの幼なじみ。
「氷那朶は逆にすごいよ…」
「ん?なにが?」
ケタケタ笑う氷那朶は、わたしより一つ年上で3年生。
氷那朶はこの学校の生徒会長で、文武両道で、それに見た目がすごいんだ。
「また髪伸びたね」
そう言いながら髪を触る氷那朶。
その指は男の指にしては細くて、少しだけ茶色いダークブラウンの髪。無造作っぽいけどセンスがあって、顔だって整っている。
そこらの読モよりもイケメンで。
けど、女の人と話してるのは見たことがない。
わたしの気のせいかもしれないけど、氷那朶は氷那朶のお母さんとわたしとしか異性と話したことがないとか……。

