楓と魚と私

午後四時半―木霊高校―

『あ、薫~♪待った?』

『おせぇ!女待たせんなよ!たくっ……。
どこ行く……って、お前誰だよ?』

『んあ?何や?楓、彼女とデートなん?
てか、うっわ~美人やん!なぁ名前何て言うん?俺は彼方〈かなた〉って言うんやけど……』

『ゴメンね♪彼方、僕はもう帰るね。』

そう言って私を自転車に乗せた
彼方は私達に向けて手を振った

そのまま楓はある場所に行く
私はなにも言わずに楓の背中を眺める
私は授業中ずっと考えていた

《私にとって楓はどんな存在か》

答えはでなかった
それどころか頭の中は楓の事しかなかった
そんなことを考えていたら
ある場所に着いたらしい

『うわっ、綺麗………』

『ねぇ、薫。薫ってさぁ、僕の事どう思う?』

『ふへ?/////ななな、何だよいきなり!!』

楓は私の手をとって言った

『大好きだよ♪薫』

『か、からかってんじゃねぇ///!』

『あれ?僕は本気だよ?じゃあ~
これで分かってくれる?』

私と楓の体の距離は近くなった
楓が私を抱き締めたのだ