「……わたしね…りっくんの、そばにずっといたい」

「うん」

「わたし…わたしもりっくんのこと、すき」

「うん」

「私…は……ずっとりくのそばにいてもいいの?」

「うん。ずっとずっと、俺の傍にいて欲しい」

「でも…私で、いいの…?」

「俺は晴じゃなきゃ、いやだ」

すると晴海は微笑んで、陸の胸へ頬を擦り寄せた。

「…うれしい」

陸は胸元を掴む晴海の指先を解いて、自身のそれを絡ませる。

「はる」

小さく名前を呼ぶと、海色の双眸が真っ直ぐにこちらを見つめた。

「……私」

少し恥ずかしそうに頬を染めながらも、そのままこちらから視線は外さなかった。

「私も……陸のお嫁さんになりたい」

――ああ。

十年前からずっとずっと、その言葉を心待ちにしていたよ。