と。

「!」

アイヴィーの傍らを駆け抜ける影。

見れば一部始終を見守っていたロンが果敢にも時計部屋から跳躍し、転落したジャックの後を追っていた。

忠実にも主人の危機を救おうというのか。

「獣同士が相憐れむ…か…」

それだけ呟くと、アイヴィーは急に興味を失ったように時計部屋の奥の闇へと消えていった。