中2の夏の黄昏時。



坂井と俺はいうもの河川敷にいた。




あいつはいつものように小石を使って水切りをしていた。




平たい小石が水面を跳ねる。




柳田はバイトでその日はいなかった。





柳田はその当時やたら香水に凝っていて、その為に年齢偽って近くのスーパーで裏方のバイトをしていた。





坂井はにんまり笑って俺にこんなことを言った。





「桜井。お前に言っておきたいことがある」





「なんだよ」




このウキウキした表情からして容易に察しはついた。




「俺にもとうとう彼女ができた」



やっぱり、そんなことかよ。この話、訊かなきゃいけないのか。



「あっそう。おめでとうおめでとう」
めんどくさいので適当に流すことにした。
「なんだ冷たいな」





「俺リア充嫌いなんだよ」