「……質問を求めた手前だが、どうやら君は僕を困らせるのが得意なようだ。美しき者の特権か、その深みにさらにはまりたいとさえ思ってしまう。君の問いかけは、一生をかかっても導き出せないだろう。無尽蔵の愛なのだ。『何か』と一つにまとめられる訳がないし、そも、言葉にするのが至難。君への愛、君の美しささえも、この世の者が表現出来るわけがない。君はそういった次元のものだ、何もかも、この世には有り得ない奇跡。
シェイクスピアでさえも君を表現出来(書け)ず、ピカソも君を表現する(描く)ことは出来ぬと筆を置く。
だがそれでも、僕の拙く稚拙な言葉でも答えがほしいのならば、あえて深みより浮き出よう。君が僕の手を握ると信じて。
どちら?何に?答えるであるならば、答えは同じだ。僕が愛してしまったのは、君自身でしかない。君という奇跡に恋をしたのだよ。地獄の業火が生ぬるいと思える情熱に身を焼かれてもなお、僕の愛は尽きない。
君を、鳥かごの中で囲いたい。その全てを。
それが、答えだ。満足いただけたかね?我が最愛よ」


