血よりも愛すべき最愛


(Ⅱ)

『あなたは、どちらにも似てないのね』

誰だったか、いや、そう口に出す人が多くて、把握しきれないだけか。

私と両親を見た人は、決まったように口を開き、影で言う。

『誰の子なのかしら』

そう、はやし立てるかのように、煽るかのように、知らない人たちと話しているのを最後まで聞けなかったのは。

『ーーは、目元がママにそっくりよね』

そう言って、耳を塞いだ後に、耳元でこしょこしょと話してくれる母の声のむずがゆさで、嬉しくなる。

私は、母に似ている。私の大好きな母に。
けれども、私は大好きな母との接点を、半分無くした。

故意に、無くしたんだーー