この醜い顔(泣き顔)も時が経てば戻るであろう。数多の男を虜とし、両親を死に追いやる元凶に『彼女』は憎しみを覚え、ごくごく自然に思い至る。
――こんな顔、嫌いだ。
至るや否や、『彼女』は顔を焼いた。油を顔に浴び、死んだ男が持っていたライターで事を進めたわけだが――阻まれた。
死んだ男と同じように、『彼女』に夜這いしようと来た別の男の手によって。
数分で消化された火であるが、『彼女』の顔――右半分は焼け爛れ、おぞましいものとなっていた。
「なんてことを……!」
美しい顔を焼いた『彼女』を憎む男。激痛により気絶した『彼女』をいっそ、殺そうかと思うが――諦めきれるものか。


