――私のせい、なんだ。


旦那を失い、気が滅入ろうとも、男に襲われる娘のためいつも神経を研ぎ澄ませ、疲労困憊の母親と。

自身に恋してしまったため、自殺する男たち。

そうして、自殺した男たちの家族。「お前が拐かすから」と怒鳴り、絶望に伏せる。


「あなたと結婚するために、妻と離婚しました」

「あなたが振り向いてくれないから、娘をあなた似に整形したが、やはりあなたでないと駄目だ」

「あなたと付き合えないなら、今この場で首を切ります」


常軌を逸した、求愛。


いったい『彼女』は何人の死に目に合って来たことであろうか。


覚えているのは、男の死に顔のみ。皆、涙を流しながら笑って死んでいくのだから、嫌でも覚えている。