昔、そう思ったのを覚えている。


男っぽい私と、女っぽい史音。


性別が逆なら良かったのにと、ずっと考えたものだ。


だが、史音は言ったんだ。


“依亜は依亜でしょ?性格なんて関係ないよ”


そう言ってくれたんだ。


その言葉が私はすごく嬉しかった。


多分私は、その時から史音に惹かれていたんだ。


あの優しくて頼りになる史音に…。


「きりーつ」


起立⁉︎


やべっ!!


今、終礼中じゃん!!


私は慌てて席を立つ。