「史音、あのなっ!」


“違うんだ!”


そう言うつもりだった。


だけど、遮られてしまったんだ。


キーンコーンカーンコーン。


この授業の終わりを知らせるチャイムに。


「ちっ」


舌打ち⁉︎


あの史音が舌打ち…。


いや、あの史音は演じてたんだ!


「舌打ちしない」


本当、前と性格違うな。


どう反応したらいいか迷うって。


いや、これはマジで。


とりあえず、教室に戻らねぇと。


ここでの私は真面目な女子なんだ。


これ以上はサボれねぇ。


そろそろ戻らねぇと…。