桜李は天堂と同じように思ったことは誤魔化さずまっすぐ伝える。だから今もこうやって目を見て話しているのだが…



どこかおかしい…



「総大将にそのように言って頂けてありがたいです。当然ですよ、それが百鬼であるあたしの役目ですから」



「いや、そうじゃなくてよ……百鬼じゃなくて女として支えて欲しいんだよ」



頬がほんのり染まっている桜李は恥ずかしそうにしながらも目を逸らさずじっと見つめてくる




「え、…」


「駄目か?」




つまり、それは…



さっき感じた違和感はこれ、だったのだろうか



正座している蓮華を下から覗き込む桜李と目が合い、ぼんっと顔が真っ赤になり膝の上で両手を握りしめて俯く



夢でも見ているのではなかろうか。百鬼としてここに来た時から桜李のことを好きだった



来たばかりで慣れない自分を気にかけてくれてさりげない優しさや、困っている時に引っ張ってくれる男らしさに惹かれた



それだけではなく桜李も自分に支えられたと言ってくれて嬉しかった



百鬼としてでは無く、十六夜みたいに唯一のひとになって支えたい、とずっと思っていた