「…役に立たないな」
結界を張って現れたのは長い黒髪、赤い目の男。現れた途端に刀で斬りかかって来て十六夜を抱えて飛び退いた
「おいおい、もう三人倒しただろ!」
「三獄鬼のほかにも居たってことか」
十六夜を守るように円になった百鬼たちだが、男が十六夜をじっと見つめうっすらと微笑んだ時視界がぼやけていく
え、何……意識が――
天堂の腕の中で急に重くなった十六夜を見ると、先程体調が回復したというのにまた同じようにぐったりとして今度は完全に意識を失っていた
「おいっ十六夜!」
「……てめぇ誰だ」
「わたしは刹。十六夜を殺すために三獄鬼を蘇らせたのに使えんな…」
三獄鬼を蘇らせ十六夜を殺そうとしていた。つまり敵は三人ではなく四人だったのだ
「お袋を何で狙う、何でこんなに苦しめるんだ…」
桜李の怒気を含んだ声が辺りに響くが刹は臆すること無く続ける
「仇だ……刹那様の」