あれから一月経ったが相変わらず真面目に稽古をしている桜李たち。もう冬になり早く起きるのも億劫になるが稽古をしていると程よい暑さになる



十六夜はというと疑うことはせず日々頑張っている百鬼を献身的に支えてくれている



「十六夜さま~」


「久しぶり、元気にしてた?」



獅蛇の洞窟に遊びに来ていた十六夜だが獅蛇は出掛けていて居ない。宵美のために獅蛇が持ってきた畳に座っていた。宵美のことをよく考えているな、と面倒見の良い獅蛇に感謝しつつ微笑ましい気持ちになった



「獅蛇は?」


「たぶんすぐ帰って――あ、帰って来ました」


「おかえりなさい」


「あら、来てたのか」
  

「うん、稽古してるから暇だし、だからといって邪魔したら悪いから」


ふーん、と近くに座った獅蛇に安心したのか膝に顔を置いて眠った宵美。涎がつく、と言っているのに退かそうとしない獅蛇に十六夜は笑う



「んだよ」


「ううん、獅蛇は口悪いけど何だかんだで優しいし面倒見いいなって」


「…何も出ねぇぞ」



分かってると笑った十六夜に獅蛇は宵美の頭をぽんぽんしながら見つめている。それは本当に愛しい目でみている



何だかんだでやはり優しい