「あ」


しばらく話していると獅蛇が声をあげた。その方を見ると天堂が立っていて気づいた百鬼たちも挨拶する


「先代~手合わせお願いします」


呼ばれた天堂は百鬼たちの所へ行き相手をする。先代だからといって孤立しない天堂にはやはり周りを引き寄せる力、魅力があるのだろうか



「ねぇ獅蛇、十六夜さん大丈夫?」


「知ってたのか?」


「狙われてるとだけしか…誰かとかは分からないけど」


「ふーん。十六夜には言ってねぇけど知られるのは時間の問題だ。別に隠し通そうとしてる訳じゃ無い。ただ知られるまでは不自由無くして不安にさせたくないだけ、だそうだ」


「そっか…誰が狙ってるの?」


「…二代目は?」


「あたしたちに言っても分からないだろって」


「なら言えねぇ」



申し訳無さそうに笑った獅蛇に笑い返した優希。意地悪で言わない訳じゃ無い。ただ巻き込みたくないから言わない。そのことは分かっているためもう諦めた



「ここから見ると桜李さん、天堂さんにそっくりだね」


「まぁ、どっちも整ってるからな…あとは性格とか器量とか並外れてる」


「好きなの?」


わくわくしながら聞いた優希に半ば呆れる。どうしてすぐに色恋にもっていけこうとするのか…女の子だから仕方無いが。天堂と十六夜、桜李は気づいて無いが蓮華が想っている



アタシは桜李をあやしたり下の世話したりしたんだぞ…




「今のどこにそんな要素があったんだよ…妖怪は正直だからな。こいつは駄目だとか着いていく価値が無いと思ったら離れていく。そんな奴が居ないからあの二人はやっぱり大物なんだよ」