「桜李~」


「んぁ……白…?」



――秋。庭の木々は赤、黄、橙に色付き冷たい風が吹く今日この頃。桜李は二代目総大将となり新たな百鬼夜行を率いて日々奮闘中。そんな疲れを癒すべく縁側に座布団を枕にして寝ていたが桜李を呼ぶ者が…



「暇だよ」


「…」



全身真っ白な狐妖怪でまだ子供。地上は走れ、空を飛ぶことも出来る。獣妖怪なので自由気ままに草原を駆け回っているが飽きたりすると桜李に会いに来て暇潰し



「眠たいんだけど…」


「桜李、遊ぼ」



軽やかな足取りで寝ている桜李の胸の上にすとん、と座るが軽い。真っ白でふさふさな尻尾をゆらゆら揺らす。身体を撫でてやると気持ちいい毛並みが日光に光って眩しい



「相変わらず気持ちいいな」


「自慢だもん。遊ぼ」


「……何すんの」


「分からない。ただの散歩」



白は両親を殺され両親の亡骸を前にぽつん、と佇んでいた。見かねた桜李はしばらく面倒を見て元気になってから放せばいい、と思った。日が経つにつれ毛並みが驚くほど綺麗になり出て行ったと思った…が今と同じように突然やって来て百鬼夜行に入れろ、と言った。だがまだ小さいため百鬼夜行には入れないと言ったら毎日遊びに来るようになった


両親が居ない寂しさを紛らわすためき遊んでやる桜李はお兄さん的存在だった




「早くっ」


「分かったからやめろ」



耳をぴょこぴょこ、尻尾でたしたしと顔を叩いて喜びを表現する白。いくらふさふさだと言っても痛いんだぞ、と止めさせて起き上がる