(早く終われっ!)
今はこの言葉しか頭にない。

校長の始業式の挨拶?
そんなん聞いてらない!

はよ、終わらんか!

『そして2つめのお話は…』


あぁ…
長い…

あっ!
自己紹介まだだったから
今するね!


私は華村紗羅(はなむら さら)
今年の4月で中学3年生!
もちろん女の子!
好きなことはダンス!
よろくね。

『…以上で始業式を終わります。』

よっしゃぁぁぁぁー!
終わったー!
いよいよだぁ!!

ん?
何があるって?
まだ言ってなかったな!
この後はクラス替え!!

ドキドキ、ワクワクとまらない
緊張する、第1イベント!!

『はい。ではまずはプリントを配ります。』

ーバサッ

どれどれ…
ん?
ちょっと待てぃー!
1組、2組、3組は横一列なのに
4組はどこ?
あっ、あった!
3組の下か!

って!
めっちゃ最悪!
ひとクラスだけだし
隣のクラスは職員室!!

ぅゎ…
4組だけはなりたくない…
お願い!お願い!お願い!

『それでは皆さんの手元にプリントが回ったようなので、このプリントをみてクラスを確認してください。そして教室のドアのところにクラス分けが貼ってあるので確認してください。それでは皆さん、見に行ってください!』

ードタドタドタ
ものすごい勢いでみんな走っていった。

『華村!』
『あぁ、川末(かわすえ)!』
彼女は2年のときにとても仲が良かった友達。小学校4年からの付き合い。
小学校のころは名前で呼んでいたけど中学生になってからお互いに名字で呼ぶようになった。なんか変なかんじだよね。
『クラス、見に行こう!』
『おけ!じゃあ1組から順番に見に行こう!』
『そうしようじゃないか!』

私達もみんなの後に続いて走って体育館を後にした。

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『1組と2組には名前載ってなかったね。』
『そうだね。ここからが本番だね。』
『もしかしたらまた同じクラスかもよ!?』
『えー。また華村と同じとか…嫌だよ!笑』
『なんでだよ!』
『ぶっ!ははははっ!そんな怒らんくても笑』

いつもこんな感じの会話ばかりだった。
『あぁ!華村!私ここだ!3組だ!』
『うっそ!まじか!私は…。ない…。』
『じゃあクラスちがうな!もしかて4組ちゃう?孤立してるところだよね!ははっ!ウケるー!』
『川末のアホ!もー知らない!』
『華村!』
『ん!?』
川末に呼ばれた。
『もし、てか絶対か!4組だったとしても華村は華村らしくずっと笑ってればいいんだよ。あぁ、でもこれ以上変な子にはなったらあかんで!』
『変な子って!変じゃないし!でもありがとね。んじゃ、また!』
『またね!』

そう言って私達は別々の1年を過ごすことになった。

《4組》


『華村紗羅』
案の定名前があった。
でも私の名前の2つ上には馴染み深い名前が…。
『桜木瑠々夏(さくらぎるるか)』
るーちゃんとは小学3年からの付き合いで1番仲良かった友達!
少し気が楽になった。

ーガラッ
『紗羅!おんなじクラス!修学旅行一緒に行けるね!』
『やったね!絶対に同じ班だからね!』
『うんうん!』

『はい、みんな席に着け!』
担任が入ってきた。
うわぁ、最悪!
私ってこんなにくじ運悪かったけ?
・教室は最悪な位置
・担任は一番嫌い
・クラスのメンバーは初めてましての人が多い

これからどうなっていくのだろう。
学校もクラスも嫌になりそうだった。


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この時はまだ知らなかった。
この1年後奇跡の逆転人生が起きるなんて…。