リビングの前で蓮が立ちどまる。


私は下を向いていたから、
止まった蓮の背中に頭をぶつけた。


「優愛………」


小さく呟き私の顎をクイッとあげた。

斜めに倒した蓮の顔がだんだんと近づく。


私はドキドキする胸を手で押さえて、
静かに目を瞑った。


小さなリップ音と共に私の唇に
温かいものが落とされた。


静かに離れたと思ったら耳元で、
「好き」と囁かれ、私の全身の体温が上昇した。


蓮の手によってリビングの扉が開かれた。