突然のことで、私の頭は真っ白。
今の、なに……?
キ、ス……?
「お前さ、俺が冷たくしても、いつも好きだって言ってくるくせに、何でこういうときは弱くなるんだよ」
え?
「お前、ホントバカ」
龍牙は私を引き寄せると、私を優しく抱きしめた。
「坂井が俺を好きだかなんだか知らねぇけど、それって俺が坂井を好きじゃなきゃ何も意味ねぇじゃん」
「でも……」
「確かにあいつは俺の家の事情も、辛さも知ってる。けど、知ってるだけで何も俺に与えてくれるものなんてねぇよ。
だけどお前は違う。お前はいつも真っ直ぐで、真っ正面からぶつかってくる。
そんで、何があっても俺の隣で笑ってくれる。
母親のことを吹っ切れたのも、お前のそういうところのおかげだ」
あの無口な龍牙が、ここまで話してくれるなんて……。
「お前が俺に光を与えてくれる。お前が隣にいれば、俺はどんなことでもぶつかっていけると思う」
龍牙は私をそっと離し、私の目を真っ直ぐに見た。



