「やっと終わった」 山積みになった書類を掻き分け、煙草を手にする。 でも、ライターが見当たらない。 早く一服をしたい俺は立ち上がり、応接セットのライターを取るために移動する。 すると、目に入るお見合い写真。 「一応、目だけでも通しておくか」 最近、歳のせいか独り言が多くなった気がする。 正直、結婚相手など誰でもいい。 俺にとって、亜美でないなら他の誰でも変わらないのだから。 そう思いながら、何気なく目にした写真。