【風真side】



文化祭真っ只中、夕方といえど盛り上がりは相変わらず。


夜までお祭り騒ぎのうちの文化祭は当たり前の光景。


そんな楽しい雰囲気にかけてるモノが1つ。


アイツが……紬が足りない。


偶然、廊下で朱音を見付けた。


ちなと何だかんだ言って仲良さげ。


「おっ!風真じゃーん!」

「ちな……じゃなくて朱音に用事」

「あたし?どしたの?」

「紬知らね?」


すると朱音はケータイを触り出す。


まっピンクで、いくつものキーホルダーが付いてる重たそうなケータイ。


「あたしもさ……メールしてるんだけど返信くれなくって………ほら!」

「ほんとだ……」


差し出された画面には朱音の送信履歴。


何通も時間を置いて紬にメールしてるみたいだけど返信はきてない………。


「おかしいな……。俺はまだしも朱音には返信するはず…」

「紬様子変だったし……何かあったの?ケンカ?」

「いや、大丈夫。朱音、ちなのことよろしく~」

「はぁ!?それは聞けないお願いねっ!」


照れてるちなと朱音は、初々しくてかわいい。


俺は……


うん、紬のこと探そう。


アイツのことだから、嘉瀬にでも振り回されてそこら辺をふらふら歩いてるはず。