【紬side】



夏の生ぬるい風と、夕陽が射し込む教室の窓際。


あたしの隣に風真がいて、目の前には朱音。


姫花と……他にもクラスメートが数人。


『ねっ、紬の理想の告白シチュエーションってなに!?』


朱音が興味津々に聞いてくる。


『海で……花火、線香花火しながら告白されたい…かな』

『線香花火~?ちょっと地味じゃない?』

『朱音には分からないよ。地味で静かだからいいの』


ねっ、とあたしが隣の風真を見ると『そうだな』と笑って返してくれる。


真っ白なセーラー服がオレンジ色に染まった。



『あっ!紬。帰りさ、コンビニ付き合えよ』

『また紬に頼るんだから~』


呆れる姫花に『コイツだからいいの』と話す風真。


初めて風真にドキドキした瞬間。


ずーっと忘れないよ。