それから、校長と生活指導の教師のながーい話の終業式。
周りを見渡せば、ほとんどが下を向いてる。
はぁ~……
そろそろ本気で紬を俺のにしちゃいたい。
俺だけしか見えなくしてやりたい。
………なに考えてんだろ。
とうとう暑さで理性もやられたみたいだ。
「紬。一緒に帰ろ」
「いいけど……」
何だか腑に落ちない面持ちの紬。
「……姫花…は?」
「俺、好きな人いるから断った」
笑って紬を見返せば「そっか」と切なく笑った。
友達思いの紬はほんとにいいヤツ。
久しぶりに一緒に帰るから、テンション上昇中の俺と涼しい顔した紬。
今日はただ帰るだけじゃなくて、話たいこともあった。

